第2日目 2005/8/21

昨日の最後の班と同じ班編成でスタート。午前は班別の探究活動。
午後は班毎に発表準備を行い,発表と質疑応答および閉会式。

午前の部 探究活動

笠先生によって本日の目標,心構え,発表時に押さえるべき内容などを説明。
銅と錫から青銅を作り,硬さを調べる

この探求学習では,実際に銅と錫を融かして青銅を作り,硬さ試験でその硬さを調べていきます。銅と錫の比率を変えて何種類か作り,できあがった青銅の性質を調べてみましょう。

(合金を作っているときは怖いほどの炎でした。注目度100%)
鋼鉄の焼き入れ・焼きもどし・焼きなましと加工硬化

鋼と鉄の熱処理を行い,その性質の変化がなぜ生じたのかについて探究する。また,それを利用してペーパーナイフ作りを行う。

(ふいごつきバーナーで火力を調節しながらの実験。まるで職人のようです。)
紙コップの秘密を探る

紙コップは自動販売機をはじめ,様々なシチュエーションで使われています。それは,飲料として様々な観点からとても優れた特性を持つからです。これまでの実験を参考に,どのような点で紙コップが優れているかを調べてみましょう。

(紙コップでなく少し厚めの紙を長方形に切り,いろいろな形状で実験。意外に強いようです。)
マテリアルの断熱性について探究する

学校で学んだ熱の伝わり方に関する3つの知識(熱伝導,熱対流,熱放射)をつかって,いろいろなマテリアル(材料)の断熱性について調べ,さらにそれらの知識を応用して,断熱材の開発や省エネ住宅の研究に取り組んでみましょう。

(アルミ缶に湯を入れて,どのような素材で囲むと,温度低下が小さいか?)
クモの糸が鋼鉄の線よりも強いというのは本当か

クモの糸は鋼鉄の線よりも強いということがよく言われます。この意味を実際に探っていきましょう。その中で,材料の特性を表わす言葉や考え方が明らかになっていくはずです。

(昨日のクモに続き,ピアノ線で引っ張り試験を実施。クモはまだその辺に生息。)
氷の作り方とその構造

氷の上で速さを競うアイススケートのスピード競技では,リンクの氷をいかによく滑るように作るかということが非常に重要になります。今回の探求学習では,氷の作り方と結晶のでき方の関係を調べてみましょう。
熱電材料の性質と活用方法

2種類の素材を接合して温度差を与えると起電力が発生するものは?
金属系熱電材料と半導体系熱電材料の違いを調べてみよう。


発表準備

探究活動の後は,昼食をとって発表準備に取りかかりました。
模造紙にグラフを書いたり,パワーポイントでまとめたり,分かりやすいサンプルを作ったり,デモ実験の準備をしたり・・・
 

 

午後の部 探究発表

銅と錫から青銅を作り,硬さを調べる

3種類の配合による青銅を作り,それぞれ硬さ試験をし,純銅と比較して結論を出すことができました。会場からの質問にもきちんと答え,信頼できるデータだったと思います。
鋼鉄の焼き入れ・焼きもどし・焼きなましと加工硬化

細い鋼鉄をバーナーの火で焼き入れ,焼きもどし,焼きなましをおこない,硬さや脆さの比較を行い,分かりやすい実験で発表しました。また測定器を自作して,硬さの評価をしたのには驚きました。
紙コップの秘密を探る

紙製の正多角柱と上に乗せる荷重の限界を調べ,内角と荷重の関係に着目した,するどい発表でした。1つ250gのおもりを右写真のように積み重ねても耐えている紙の強さにもびっくり。最後にオチまでつけてくれました。
マテリアルの断熱性について探究する

市販されているペットボトル入れと比較しても高性能な保温を実現するために,材料の組み合わせを探究する過程が,分かりやすく報告されました。新聞紙の意外な可能性に気づきました。
クモの糸が鋼鉄の線よりも強いというのは本当か

アドバンシング物理の教科書にはクモの糸の方が強いとの記述があるものの,日本のクモ(たまたま会場校にいたクモ)は鋼鉄より弱かった。しかし伸びても切れにくかったり,安全ネットとしては実用化の可能性があるとの提案は感心させられました。
氷の作り方とその構造

昨日作っておいた氷を使って,うまく結晶ができ,偏光板を用いてきれいに発表することができました。またなるべく透明な氷をつく方法をその理由とともに説明し,分かりやすかったです。
熱電材料の性質と活用方法

従来の熱電対の実験から,大きな電圧を得られる新しい熱電対まで,電位差が生じるしくみも含めての発表でした。この班だけ大学生なのですが,発表は一番分かりやすく上手でした。演示実験も巧みで,評価が高かったです。
質問する参加者
質問する高校生

会場の様子

あふれる参加者


今回の発表の講評をする山崎先生。


2日間のまとめを行う,村田先生(上)と藤田先生(下)



受講してくれた高校生および大学生の皆さん,ありがとうございました。
皆さんには,研究会から修了証を渡します。AO入試などに役立てることもできます。



最後に記念撮影をしました。ハイ,チーズ!




2日目はこれで終わりです
1日目の報告を見る


研究会のホームページに戻る